不思議なことにマゾたちはプレイ中によく私に「ありがとうございます」と言ってくれます。そういうときの顔はいつも決まっていて、落ち着いてうっとりとした目でこちらを見つめながら、溜め込んでいた息を吐きだすよう口にします。プレイをしていて幸せだなと感じる瞬間は沢山あるのですが、この瞬間は中でも特に好きかもしれません。性欲とは違った部分が満たされているような気がします。
もちろん多少の配慮はしていますが、基本的にプレイ中の私は自分の好きなことを男性にしているだけです。しかも気持ちいいことだけではなくて辛いこともしたりするのに、ありがとうございますと言われると変な奴だなと思ったりもします。変な奴、というのはそのままの言葉の意味ではなく、子どもに向けるような愛おしい感情を乗せています。
先日初めてプレイした子が「こんなことをされて辛くて仕方がないはずなのに、嬉しかったりするからすごく複雑で、これをどうやって言語化したら適切なのかがわからないんです。でもこれが良い感情で幸せってことだけはハッキリと分かるから、"ありがとう"って何度も口にしてしまうんです」と説明してくれました。それを聞いて私は、ああなるほどな、だからみんなプレイの中盤に息を吐くように「ありがとう」って口にするんだなと納得しました。
今までの経験から、マゾに堕ちていく男性は最終的に感性がM女性に似通っていくと勝手に私は思っていたのですが、この与えられたものに感謝をするというのは、M男性特有の感性の持ち方なんじゃないかなと思います。女性上位のプレイには、与えて、受け取って、というプロセスがハッキリとあるからだと思います。ちなみに私はそういうプレイをしているときが一番好きで幸せな気持ちになれます。
有難いことに感謝する理由に「むぎさんの前だと、すごく自分らしくいられるんです」とか「自分を解放できます」と言ってもらえることもよくあります。普段特に抑圧されているとか我慢しているという意識が無い方でもそう言うので、自己解放できる場所って精神衛生上、誰にとっても必要なものなのかもしれません。
そしてプレイ中に自分らしくいられるのは、実は私も同じです。私は見た目や口調が穏やかめなせいか、普通の社会生活上だとS男性っぽい人に好かれることが多くて、日々それが鬱陶しいと感じていました。ですがそれに常に反発して生きていくわけにもいかないので、表面的には当たり障りのないように男性から求められる女性像を演じて過ごしていたりもします。
それがプレイ中だけは、私のしたいことを男性に押し付けたいとか、言うことを聞かせたいとか、男性には常に私の下に居てほしいという自分勝手でどうしようもない私を貴方が喜んで受け入れてくれるから、ありのままの自分で居られます。きっとお互い様ですね。
貴方が居てくれて良かったって、こうしてお互いに必要とし合えるプレイはすごく楽しいですよ。まずは感謝の言葉を送って目の前の人を大切にしてくださいね。
なんかぼんやりとした抽象的な日記になってしまいましたが、私は他人からもらって嬉しかった言葉は書き留めて楽しむ変態なので残しておきます♡みんないつもありがとう
