君について、うんざりしていることは、もう一つある。
それは芥川の苦悩がまるで解っていないことである。
日蔭者の苦悶。
弱さ。
聖書。
生活の恐怖。
敗者の祈り。
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この一文は、芥川龍之介に憧れていた、太宰治が「もの思う葦」に綴ったこと。
今年は辰年。
余談ですが・・・、【龍之介】という名前は、芥川が辰年(明治25年)・辰月(陰暦3月)・辰日・辰の刻(午前8時)に生まれたため、その名が付けられたそうです。
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「ワタクシハアナタヲ愛シテ居リマス コノ上愛セナイ位 愛シテ居リマス ダカラ幸福デス 小鳥ノヤウニ幸福デス」
「将来に対する唯ぼんやりした不安」から、三十五歳という若さで自裁した芥川が、四百字詰め原稿用紙の切れ端に書いた、妻のふみに宛てたラブレター。
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このお手紙は、ふみの死後、愛用していたお裁縫箱の中から見付かったそうです。
太宰は、「私はどんなに悲しい時でも、桜の花を見ると、もう、その悲しみを忘れてしまいます。」と語り、芥川は「桜の花が咲く頃には、すべての悩みが解決していることを願っています。」と語りました。
ところで、幸福なことを「幸い(さいわい)」と言いますが・・・、その古語は「さきはひ」(^-^)
「咲く」の連用形の「さき」と、地を巡るように広がるなどの意味を持つ「はひ(「這う」」という言葉が繋がって・・・、【幸い】という言葉が出来たそうで・・・、古代の人たちは咲き溢れている満開の桜を見た時に感じたような気持ちを幸せだと表現したのかもしれません(^-^)
・・・太宰や芥川にとっても、桜は希望だったのかもしれないと思いました。
この春、皆さんはお花見に行かれましたか?(^-^)
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